個人用ネットワークストレージの著作権違反判決。gmailやSFは大丈夫?
Posted on | 5月 27, 2007 | No Comments
インターネット上のサーバに音楽データを保存し、携帯電話からダウンロードできるようにするネットワーク ストレージ サービスが著作権法違反(東京地裁)
- 音楽保存サービス:ストレージ利用は著作権侵害 東京地裁-今日の話題:MSN毎日インタラクティブ
- スラッシュドット ジャパン | 個人用ネットストレージサービスは著作権侵害との判決
- GIGAZINE – ネット上にデータを保存するサービスはすべて著作権侵害で違法です
- 副作用が大きすぎるストレージ・サービス違法判決 – 栗原潔のテクノロジー時評Ver2 [ITmedia オルタナティブ・ブログ]
- ナガブロ: ストレージの利用がなぜ著作権侵害なのか
- 音楽データのストレージサービスは著作権侵害、利用主体はユーザーではなく提供会社に – CNET Japan
詳細は上の記事をお読みいただくとして、簡単にまとめると ユーザが自分の音楽ファイルを着うた形式に変換、サーバに送信して保存、自分の携帯電話でダウ ンロードできるというネットワークストレージのサービス会社MYUTAがJASRACから指摘を受けて裁定を求めていたという件で、東京地裁で違法との判 決が出たとのことです。判決の趣旨としては、サーバは不特定のユーザに対しサービスしているため、このサービスは違法とのこと。
問題のサービス自体は個人のデータを保存し、自分でDLするもの。普通に考えると、これが問題になるとは考えにくいですよね。個人用途の限定的なコピーは認められているわけで、着うたフルへの変換がまずいならmp3やiTunesもだめな気もします。これがカラオケ法理 – Wikipediaと同列かといわれたら違和感があるのではないでしょうか?
確かにサーバ自体は不特定多数相手かもしれませんが、個人を特定してファイルのやり取りを行うサービスで、ストレージの内容自体は対個人です。つま りサーバとコンテンツは別なわけで、専門的な知識のない僕としては、このあたりの法律的な解釈が遅れていること(拡大解釈?)がこの問題が話題になる根本 と理解しているところです。
ナガブロさんの所の詳しい法律的な議論を読んでもなんだか判然としません。全部理解できたわけではないのですが、要するに
- 音楽ファイルをコピーしておけるようにすること自体がまずい(複製権)
(注:保存だけなら微妙ですが、着歌フルへの変換はまずい気が。ただし変換はユーザが行う) - この会社が管理するサーバ=カラオケ店、歌ってみんなに聞かせる=携帯でダウンロード(公衆送信権)
という感じでしょうか。
この判決がカラオケ法理によるとすると、認証があろうが無かろうが、サーバを複数人で使えば全て不特定多数相手という解釈のようです。ということは (上の栗原氏のブログにもありますが)、一般のネットワークストレージはもとより、gmailやプロバイダが提供するオンラインメールサービスなんかも同 列でアウトになる可能性が出てきます。添付ファイルに音楽ファイルなんて普通に送れるわけですし。
よくよく考えるとレンタルなウェブスペースも残らずアウトになってしまいます。ソフト開発用レポジトリを提供している SourceForge.jp等のたぐいもまずいでしょうね。(あれはサーバは国外かな?)。置こうと思えば音楽ファイルも置けますよね。素人考えでもっ と広げると複数ユーザ共用タイプのレンタルサーバなんかもまずいのではないかと思ったりします。
既にCD/DVDメディアには課金されていますが、iPodやハードディスクにまで課金を考えてるわけで、ありとあらゆるデジタルストレージをターゲットにしているように見えます。次はネットワークストレージというわけですね。
法律関係というのは、一般の論理とは異なる独自の論理の世界。純粋に論理的な判断というより、言葉のあいまいさ、条文の解釈のあいまいさ、前例をど う解釈するかなどによって、いわゆる常識的な理解とは大きくかけ離れた結論が出るように見えたりします。今回もやはりユーザが変換を行ったものを送信とい うので少しグレーな気がしますが、コンピュータ・インターネットに関する法整備が足らない可能性が十分あるのではないかと思われます。
音楽や映画に正当なお金を支払うことに異存のある人はそういないと思います。著作権保護も重要だとは思いますが、世界中のインターネットに日々現れる新しいサービスに対応するのに、このような解釈しか出来ないようであれば重大な遅れが生じかねません。
データ形式変換の話はおいておくとして、サーバ使用に関する部分については判決文の公開が待たれますが、余りにも影響が大き過ぎるこの問題、出来れ ば最高裁あたりで争ってもらい、権利団体だけではなく、インターネット業界、周辺業界への影響、なにより我々ユーザのことを考えた上で、納得のいく判決を 出して欲しいものです。
#まだ読んでいませんが、判決文が公開された模様。
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