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エンジニアの空洞化とか待遇が悪いとか
最近エンジニアの空洞化、待遇改善、業界の構造的問題などの記事が目に付きます。最近でも大手ニュースサイトの@ITに以下のような記事が載っており少し感じたことを。
大手企業が軒並み大量のリストラを行って、自社機能を軽くすることに躍起になったのには記憶に新しい。特にIT関連の業務は子会社、派遣会社、アウトソーシングでまかなうことがかなり多いでしょう。
いずれも長期的にITを生かしていく事を真剣に考えているのかどうか、メーカなら特に最近の製品ではソフトウェアが製品の品質に関与する部分は大きい。自社製品をどれだけ長期的に真剣に作っていこうとしているのか、という姿勢が問われているのではないでしょうか。
経済面では世界的に既得権は欧米にあり、日本が得意としていた製造業では空洞化が進み、世界の商社的存在となりつつあるような感があります。このままでは本当に必要な技術も人も育たないまま、どんどん立ち腐っていくのではないだろうか。大手企業は全てではないにせよ業績が戻っているようですが、ちゃんと基本に立ち返って、IT(ソフト、ハードも含む)に取り組まないと長期的な維持は難しそうです。
日本のビジネスは人頼みが多いと記事にはありますが、先進的な分野、エンジニアリングなどは結局欧米でも人頼みです。例えば半導体分野では開発エンジニアが辞めたからディスコンとかサポートできないなんてのは普通に見られます。
やはり最終的にはどんな仕事も人。人材の流動性の高いインドでも、大手は上位数割の優秀な人材には高給を与えてキープを行っているようです。日本のIT業界でこの先もエンジニアの給与面、社会的地位が低いままであったなら、この先もずっと立ち行かない気がします。気づいていつつも何もしないとかって、それもやはり日本人のまずい点なんでしょうかね。給与のレベルがインドや中国に並ぶまで落ちてはじめて競争できるようになるのでは遅いのですが。
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日本の技術者の環境は劣悪か?いや、そうだと思う
ちょっとウケた話である。いや話がおかしいのではない。確かに劣悪だなと同意した苦笑いである。
- ITmedia エンタープライズ:遅れた日本のソフトウェア開発 その原因はここにあり!?:作業環境を改善せよ さもなくば日本のエンジニアは壊滅する! (1/3)
- スラッシュドット ジャパン | 日本のソフトウェア開発者の作業スペースや待遇は劣悪?
日本の技術者の作業環境は劣悪だそうである。ちょっとなにをいまさらという感があるが、こういう話題が取りざたされるようになったことに素直に喜ぶことにしよう。
そもそも個室どころか、ちゃんとした机と椅子が割り当たっているところばかりではない。パイプ椅子に長机なんて環境だっていくらでもある。 もちろんその場所はテンポラリーという位置づけで使われるのだが、実際にはそこで数ヶ月も過ごすことだって少なくない。冷房が効きすぎた部屋、夕方になったら空調が切れる部屋、騒音を立てるサーバマシンの隣、通路になっていて人が行き来するなど様々である。
もちろんそこまでひどい環境ばかりではないが、少なくとも平机をならべて、集中しにくい環境が多いし、日本人的な感覚では”仕事場でのプライバシーなんてなんだそれ”であるのは間違いがない。
米国では小さなベンチャーでも、個室はなくともちゃんとパーティションで区切られた小部屋で仕事をしていたり、エンジニアに対する配慮を感じる。
確かに人の適応力は大きい。たいていの環境に適応してしまう。しかし仮にも頭脳労働を目するなら今の日本の環境の多くは決して良いとはいえないだろう。
個人的に今後はスキルが低く、頭数だけのエンジニアは淘汰されていき、モティベーションとスキルの高い人間の少人数チーム化が進む、もしくは進めないといけないと考えている。生産性と想像力は個人的な環境とコラボレーションのバランスで生まれると思う。音楽を聴きたい人は聴けばいい。それで生産性が上がるなら何の問題もない。
どうせ崩れつつある終身雇用制である。今後もどんどん崩壊していくのは間違いない。会社としても利益を拡大するためには、集中した投資とそれに見合ったアウトプットを出せるエンジニアを精製していことが必要ではないのだろうか。
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T-EngineはLinuxと競わない方がいいと思う
ITProにT-engineに関しての坂村先生の記事が載っていたが、少し読んで思うところがあった。
要約すると、”エンタープライズ系の人材を組み込みにそのまま使うのは無理、Linuxも組み込みには無理、T-Engineはいいよ”みたいな話である。
エンタープライズ系の技術者を組み込みに使うのは難しい、という部分は全く持って同意する点である。実際お大尽なエンタープライズやPC系のプログラムに慣れた技術者を組み込みに持ってくるのは再教育なしには不可能である。ハードウェアのベタな知識や場合によっては回路図とにらめっこしたり、オシロスコープやロジックアナライザとにらめっこが必要な組み込みの世界とは同じプログラムでも全く異なるスキルが要求される。もちろんアプリケーション部分はある程度共通する部分もあるが、やはり独特の制約や性能など考慮すべき点が多々ある。
まあそれはおいておいて、坂村さんはLinuxがどうもお嫌いのようである。心情的にはわからないではない話であるが、この記事で紹介されている部分は重要な点をおそらく故意に?抜かしているに違いない。
組み込みにLinuxが盛んに使われるようになったのはここ数年。採用が進んだ最も大きな理由は少なくとも私の知る限りでは豊富なミドルウェアの存在である。 このあたり坂村さんも良くわかっているのであろう、T-Engineはミドルウェアを充実させるような方向である。しかしそこにLinuxとの違いがある。オープンで多様な分野で使われるLinuxと組み込みの伽藍の中にこもっているT-Engineとは周辺ソフトウェアの数も厚みも違う。例えば単純にWindowsからのファイルサーバ機能を追加しようとしたら、Linuxではsambaを入れればいい。仮想記憶ありきでUnix系OSとiTronからの発展組ではスケーラビリティに大きな差がある。
ハードウェアの性能が向上し、かつては組み込みでは考えられなかった速度と大量のメモリ(といってもせいぜい数百Mhzで数百MB以下)を使用できるようになって、十分な性能でLinuxが走るようになり、同時に組み込み機器への要求がさまざまな面で大きくなった結果、従来の組み込みOSの範疇では処理できないようになってきたのが採用の大きな理由であろうと思う。
ミドルウェアといっても範囲は広いが、ざくっと例を挙げると
- TCP/IPスタック及びサーバ類
- ファイルシステム
- USBスタック
- グラフィック関連
- 豊富なライブラリ
等である。
一般のPCやサーバなどでは当たり前のものが組み込みの世界では貴重な機能なのである。ちょっと前まではネットワーク機能など、ハイエンドのシステムでしか使われず、高価なボードと高価なOS(VxWorksのような)を使う必要があった。
最近ではハードウェアコンポーネントの低価格化によってハードウェアとして機能を実装することは容易である。しかし組み込みOSでこれらを一般的な形で使えるようにしているOSは数少ない。また存在はしてもそれぞれの機能は有償かつそれなりに高価である。ネットワーク機能やUSB機能のためだけに数十万・数百万は出せないのである。
もう一つの利点はまさに坂村氏が記事で述べている、ボードがないと開発しにくいという点である。Linuxならば機器に依存が少ない部分については安価なPC上で開発を進めることが出来る。確かに試作ボードは必要ではあるが、たいてい開発メンバー全員にいきわたることはない。PC上で多くの部分を開発できるLinuxにはそれだけでも利点があるのである。また教育面でも有利である。普段手元にあるデスクトップOSで同じAPIが使えるのは学習しやすいのである。
ボードの大きさ云々であれば、とても小さなLinuxシステムもあるし、T-Engineを使ったからといって試作ボードが小さくなるとは決していえないのである。アプリケーション次第ということ。
iTron/T-Engineは機能はすこしづつにせよ新しいものを取り込んではいるが、やはり多くの要求を満たすために、最大公約数的な仕様になっている。APIもいまだ7文字制限(ではなくなってはいるが)を引きずっている。 これでは採用を半強制できる国内市場ではいいが、海外では受け入れられないだろう。第三国がT-Engineに興味を持つ理由の多くは日本企業狙いである。
結局というか、T-EngineはLinuxと同じエリアを目指しては得るところは少ないのではないだろうか。iTronが比較的高速応答が必要で小さめなシステムで使われているように、せいぜいミドルクラスまでをターゲットにして、むしろLinuxが少なくともここ数年は持ち得ないRealTimeOSとしてのアドバンテージを生かすほうがいいのではないだろうか。独自仕様を減らし、POSIXなどの標準に準拠することももっと重視していい と思う。
私も組み込みエンジニアである。iTronを選択する場面もあるが、理由は価格とメモリと高速応答性の問題である。Linuxではどうしてもある程度の以上のメモリが必要であり、高速な応答性能を出すには無理がある。比較的小さなボードやシステムにおいてはiTronは(APIのダサさ、システム構成のダサさは置いておいて)悪くない選択である。他にもっといいOSがあればよいのであるが、選択肢はそう多くない上、多くは高価であったり、サイズが大きすぎたり、マイナーであったりする。
iTronがもう少し洗練された仕様であったなら、国内のみならず国外でももっとアピールでき、世界の組み込みOSの標準ともなれたのではないかと残念に思うのだが。
Tags: Linux, 組み込みPopularity: 92%
再編と淘汰と精製
- 2007-08-08 (水)
- 業界
しばらく前からCNETが読者からブログを募り、公開しているのは御存じの通り。時おり読ませていただいているものに 中小ソフトハウスが下請け脱却を目指す時に読むブログ というのがある。
コンサルティングを生業とされているだけに、業界の実態にお詳しく、現在私はソフトハウスというかシステムハウス勤務ではないが、関連した仕事をやっていたため、実感に近いものを書いておられる。
個人的には、もう旧態依然の派遣・受託だけで食ってきたソフトハウスの多くは自然淘汰的に廃業して いくのでは無いだろうかと危ぶんでいる。実際私が仕事上関わり合いのあった(る)会社も同じである。派遣、受託共に商売としてそれほど儲かってはいないようである。
結局下請け構造に入り込んでいて自社でなにも持っていないというのが大きい。まあ私の場合組込み関係で比較的SIが少ないこともあり中抜きは多少は少ないが、その分チャンネルが少ない。技術レベルが求められるのは他のIT以上であると思うのだが、教育もままならないため、採用して実戦投入=やる気のある奴以外はぼちぼちで止まるの繰り返しであった。
経営者の方々は結局次の一手、しかも自分の会社で人脈で規模で出来てリスクが少ない方法を求めている。でもそんなのある訳ないのである。エンジニアがエンジニアであるだけでお金になった時代はもうすっかり過去のものである。
個人的には自然淘汰=>エンジニアや経営者あぶれる=>上澄みだけを集める=>いい会社 みたいな単純なことを考えているが、 業界再編には必要なのではないだろうか。そうやって精製の出来る自信のある会社様。雇ってもらえませんか笑
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東大生がプログラマにならないのは社会的地位と仕事の内容と経済の原理
- 2007-08-07 (火)
- 業界
なんだか変な議論が発生しているようだ。東大生がプログラマにならないとかなるといか言う話。
東大生がプログラマにならないのは単に日本のプログラマは社会的地位が低く、給与も低いからだ。同じソフトウェアに関わるなら、というかシステムに関わるなら、大手企業のSEや研究者の方が条件がいいに決まってる。
また職業プログラマはそう高度なことをやるわけでも、面白いものでもない。現実の問題ってのはシステムの大小に関わらずつまらないものだ。技術やなんかも米国のベンチャーがやっているような楽しげなことはほとんどない。出来上がったものも同じだ。どんだけ大きなシステムでもツボが多少違うだけで、正直似たり寄ったり。
僕は東大も京大も入れるようなことはなかったが、今まで仕事をしてきた中、また友人で、そういう人は結構いる。みなさん頭も切れるし、知識もある優秀な人たちだと思う。だからといって、いいシステムが構築できるわけでは全然ない。もちろんダメなワケでもない。
知識や思考だけでシステムが成立するわけではないからだ。学生でToy CPUとToy コンパイラが作れるってのは素晴らしいことかもしれないが、実際の業務に使えるレベルの物が出来るかどうかは別物だ(いやサクッと0からCoreDuo並のCPUを設計してgccを作れるような凄い人がいるのかもしれないが)。LispのGCを改善できるかって?まともなプログラマならLispのことを知らない人間でもちゃんと説明すれば誰でも出来ることだ。(あ、ハード設計は出来ないかもしれない)
一言で言って プログラムを書くのは技能だ。そこにはセンス、経験、知識、いろんなものが必要になってくる。いいプログラマは、あたかもなでただけで木の歪みや表面の仕上げをミクロン単位でチェック出来る熟練の職人さんのごとく、プログラムを少し眺めるとおかしいことに気づく。システムの目的からちゃんとしたブロックを頭の中に描き出し、重要なポイントをつかむ。これは勘のようなものだ。一朝一夕で身につくものではない。ソフトウェアが人手で構築されている限り、技能面は不可欠だ。
どんな大きなシステムでも優秀なプログラマとSEがどれだけいるかで質が決まる。元設計や構想の問題もそういう職人はいち早く気づき、なんとかかんとか動くものを構築する。たいていは、そういう人の地位はぼちぼちなので、全体を左右することはなかなか出来ないのが問題だ。まあそういう人が全体をコーディネートできるかというとまた別な話なワケだが。
残念ながら、優秀であっても地位が低いプログラマの意見は現場に近い人、モノのわかった人には尊重されるが、さらに上に行けば薄れる。そろばんはじくレベルにはほぼ届かない。で、給与(もしくは支払われるお金)も低い。企業から見た価値観の違いがそこにある。
東大卒な人間もプログラマが高級官僚並の地位と待遇が保証されるなら喜んでやるだろう。それほどの価値がない現状では全くやるわけがないと思う。でも、東大に限らず、優秀な人間がソフトウェア産業に関わらなくなるのは非常に問題だ。というより、それだけ価値のない仕事をしている業界自体が問題なのだろう。
まあ当面人手は派遣やアウトソーシングなんかである程度はなんとかしていくのだろうが、結局は自然淘汰と空洞化が進む。商社となって儲かる会社はそれでよい。ただし、その臨界はいずれ来ると思う。皮膚感覚的な話で申し訳ないが、出来上がるモノの質も儲けもキープできなくなると思うからだ。
大手企業は体力でしのいで行くだろうが、パラダイムはダイナミックだ。いずれ吸収しきれなくなる時がやってくる。そのときこそ、優秀な人たちに私たちの業界に加わって頂きたいものだ。
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